一歩踏み出す勇気

大学時代に、毎年、河口湖で学校主催のボート大会がありました。

我々ボート部員は、1人ずつ参加チームの艇に乗り込み、
コックスとなって、クルーを指示して艇を操ります。

参加者は一般学生や教員なので、ボートは素人です。
素人クルーにコックスとして乗り込むのは、結構、怖いものです。
風や波の中で、各艇をスタートラインにならべるのもまた大変。

当初、私はあまり沖に出ることを避け、できるだけ岸に近いところで、
スタートラインに着けるようにしていました。
沖に出るのが怖かったからです。

しかし、岸に近いところは波がうねっていて、
スタートラインに着けるのに手間取ります。

スタートラインに着けるのに手間取っていると、
先にスタートラインに着けた艇の先端に、
自分艇の先端を合わせなければならないので、
さらに余計に手間がかかってしまいます。

これではダメだと思った私は、
恐怖を払いのけて、思い切って、各艇の中で
一番沖まで出てみることにしました。

沖に出ると、岸辺より波は穏やかで、
スムーズに艇を操ることができました。

スタートラインあたりで艇を止めると、
スタート係がメガホンで各チームに呼びかけました。

「各艇、五十嵐の艇に合わせて!」

それから私は毎回いちばん沖まで出るようになりました。
いちばん先にスタートライン付近に艇を止めれば、
スタート係から、「各艇、五十嵐の艇に合わせて!」と声が掛かります。

沖に出るのを恐れて岸の近にいたら、
いつも苦労して他艇に自艇を合わせるだけです。

思い切って沖に出てみて良かった。そう思いました。

出てみれば、なんてことはありませんでした。
むしろ、沖は岸辺より快適。

沖に出てみなければわからなかったことです。

余計な恐怖心を払拭することで、新たな一歩を踏み出すことができる。

新たな一歩を踏み出すことで、知らなかった世界を知ることができる。

そして、人に合わせるより、自分に合わせてもらう立場のほうが良い。

河口湖のボート大会から私なりに学んだことでした。

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