牛乳宅配とイノベーションのジレンマ (牛乳宅配営業の実情 その後日談)

先日の一件以来、明治の牛乳宅配営業に疑問を持っていたのですが、
実はその後、明治本社の営業部門や宅配部門の担当者の方々に会って
宅配事業や営業のやり方などについて、直接、話を聞く機会を得ました。

話の詳細についてはブログで公表しないと約束したので、
ここでは触れませんが、牛乳宅配件数は、当然ながら、昔にくらべれば
激減しており、今も減り続けているそうです。

昔は、牛乳と言えば、牛乳屋さんが毎朝配達してくれるもの、あるいは、
お風呂屋さんで湯あがりに飲むもの、というイメージでしたが、
技術の進歩で、スーパーでもコンビニでも、いつでも牛乳を買えるように
なりましたから、消費者としては、あえて宅配してもらう必要はないわけです。

しかし、乳業メーカーからすれば、これまで宅配という方法で、
製品を販売してくれていた町の牛乳屋さんという流通チャネルを
見捨てるわけにはいかないので、宅配を維持せざるを得ない。
なので、宅配専用の商品を開発し、宅配営業にも注力する。

消費者ニーズは既にないにもかかわらず、過去に構築したシステムを
捨て去ることができない。むしろ、それが足枷となっている。

これって、イノベーションのジレンマと言えるのではないでしょうか?

環境の変化に適応するためには、そして、イノベーションを起こすためには、
既存のシステムや過去の成功体験を捨て去る勇気が必要です。

ちなみに、町の電器屋さんも牛乳屋さんと同じような状況にありますが、
こちらのほうは、メーカーが町の電器屋さん専用の商品を開発してくれる
というような手厚い保護はなく、個々の電器屋さんが独自のやり方で
生き残りを図っています。

当然、淘汰される電器屋さんもあるわけですが、これは、ある意味では
資本主義経済下での健全な新陳代謝と言えます。

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